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撮影助手育成塾便り.Vol.11-49

『 キャメラマン講義:清水 良雄・稲垣 涌三 撮影監督 』


清水 良雄 撮影監督  本日の撮影助手育成塾は「キャメラマン講義」の授業です。午前中に講義をしていただいたのは、優れた撮影技法を称える“JSC賞”を『魂のリアリズム 画家 野田弘志』作品で今年受賞された、清水 良雄 撮影監督にお越しいただきました。
 ドキュメンタリー作品を多く手掛ける清水氏は劇映画も撮影されていますが、やはり記録映画のイメージを強く感じます。すべてを整えて作られる劇映画と違い、記録映画などの作品は何が起こるか分からないところが撮影時に難しいところですが、本当に難しいのは、撮影対象をどのように描くかがキャメラマンによって作品の出来を大きく左右されることです。今回は清水氏の、『老人と海』という作品を観ながら、撮影中の話を聞かせて頂きました。作品を見た方も多いと思いますが、とても良い作品ですね。カジキマグロの釣れない老人。それを追っかけて撮影は1年以上にも及んだこと。当初の狙いとは違って、長期戦となった撮影の中で、老人の複雑な思いが伝わってくるキャメラワークは、老人を理解していたからこそではないでしょうか。記録映画は単に事実を淡々と撮影していくだけでは何も人へは伝わりません。被写体を理解しようとする心があってこそ出来るのではないでしょうか。撮影助手もキャメラマンを理解することから始まります。今キャメラマンが何を望んでいるのかを理解しそれをサポートする。それを撮影助手時代に学んでいれば、自分がキャメラマンになった時には、人を理解できるのではないでしょうか。そんな事を教えられた講義でした。
稲垣 涌三 撮影監督  午後の講義をしていただいたのは、『東京上空いらっしゃいませ』『ホームカミング』などを撮影された、稲垣 涌三 撮影監督です。稲垣氏は、日本映画撮影監督協会の事務局長も務めていて、業界の様々なことにも詳しい方です。間もなく卒塾を迎える塾生にとって貴重なアドバイスをしていただきました。まず話してくださったことは、「人とのつながりを積極的に自分から作ること」です。
“一匹狼”的なイメージの強い撮影部ですが、実は全く違っていて、仲間意識が大変強い世界です。フリーで仕事をする人がほとんどの撮影部は、最初のうちは中々入り辛い世界でもあることは事実です。また、厳しい世界でもあるので、実力の分からない新人は使いたがらないことも確かにあります。そのため、自分を分かってもらい理解してもらう事が大切です。それには待っていてはだめで、積極的に自分からアプローチする事が必要になってくるのです。撮影助手育成塾は、そんなアプローチをするチャンスが沢山ある塾です。それを積極的に利用しない塾生を稲垣氏は事務局長として沢山見て、大変歯がゆく感じているようです。残り1回の授業で11期生の育成塾は終わります。その後授業という名目で撮影監督協会へ来ることはありません。そうなれば撮影監督協会へ顔を出し、多くの人とつながりを作る努力を自分から積極的にしなくては、チャンスにもめぐり逢えないでしょう。稲垣氏が、勇気を持って自分から行動するようにと、間もなく卒塾する塾生たちを励ましてくれているような授業でした。


撮影助手育成塾


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撮影助手育成塾便り.Vol.11-48

『 機材講習・ARRI SR3 16ミリキャメラ 』


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 早いもので11期生達の授業もまもなく終わろうとしています。この1年間、プロが使う様々な撮影機材に触れてきた塾生たち。今日は締めくくりの「機材講習」授業。最後に学んだ機材は、“ARRI SR3 16ミリキャメラ”です。映画の撮影は35ミリキャメラと思われがちですが、最近では“スーパー16”と呼ばれているサイズで撮影される劇場用映画が多く上映されています。フィルムや現像を含めた後処理技術の進歩により、35ミリに負けない映像で撮影が出来るようになったためです。16ミリの特徴は、35ミリフィルムのほぼ半分の大きさで、一つのフィルムによる撮影時間の長さに加え、小さくてコンパクトなキャメラ本体、当然重量も軽いので取り回しが楽な事が撮影表現の幅を大きく広げます。一昔前のテレビドラマなどはこの16ミリキャメラで制作されていました。今でも昔のテレビドラマなどを見ると、どこか映画チックで味わいのある映像で見る事が出来ます。
当時のキャメラマンは16ミリキャメラの特性をよく理解し、16ミリキャメラならではの映像を作り出していたのが、昔の作品を見ていると良くわかります。16ミリでの作品制作は単に安価な制作費だけが魅力なわけではありません。キャメラの特性を熟知しているキャメラマンだからこそ作れる映像が、見る人を惹きつけ楽しませていた事は間違いなく、その技術を持ったキャメラマンがいたからこそ出来ていたと言えましょう。その技術を持ったキャメラマンは年々減ってきています。今この技術を継承していかなくては、近い将来失われてしまいます。今日16ミリキャメラを学んだ塾生たちが、16ミリによる撮影現場にめぐり合い、そしてキャメラマンが持つ技術を学び継承してくれることを願いながら、35ミリキャメラより扱いづらい16ミリキャメラに悪戦苦闘している塾生たちを見ていました。立派に成長し、技術を継承してくれることを願っています。


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撮影助手育成塾便り.Vol.11-47

『 キャメラマン講義:上野 彰吾・川上 皓市 撮影監督 』


上野 彰吾 撮影監督  撮影助手の仕事は、基本的にキャメラマンのアシストです。キャメラマンが考えることを感じ取り映像作りの手助けをするのは難しいようですが、理解しようとする気持ちがあれば分かるようになってきます。また、キャメラマンも助手の作業を理解していなくては、上手くアシストを受ける事が出来ません。助手の時にしっかりとした作業でキャメラマンをサポートする、その経験の積み重ねがキャメラマンへの道に繋がっていきます。
 本日の授業は「キャメラマン講義」です。午前中は『ぐるりのこと』『時をかける少女』などを撮影された、上野 彰吾 撮影監督です。上野氏は人材の育成にとても熱心な方で、夢と情熱を持って挑戦してくる若い人と触れ合うことを好む方です。今日の授業でも、自身のデビュー作である『草の上の仕事』という作品を塾生たちに見せ、挑戦者であったその時の話をしてくださいました。上野氏も多くのキャメラマンにつき、多くのことを学んできました。キャメラマンをアシストする中で、キャメラマンがどのように考え、何を欲しているのかを読み取り行動してきた経験が、自分の作品を作れるチャンスがめぐってきた時に生きてきたそうです。キャメラマンになるには助手として時間を重ねていけばなれるという訳ではありません。人に納得してもらえる何かを見せる事が出来なければ、次に繋がることはないでしょう。
川上 皓市 撮影監督 午後の講義は、『火垂るの墓』『桜田門外ノ変』を撮影された、川上 皓市 撮影監督です。川上氏は『サード』『四季・奈津子』など、キャメラマンデビューと同時に多くのヒット作を撮影されました。これらの作品も当時としては低予算で製作されていましたが、挑戦者であった川上氏の見事なキャメラワークで、見ている人を飽きさせることのない作品に仕上がっています。「人を写すこと」 そこに川上氏はこだわっているそうです。「今の映画は説明カットばかりだ」と言われる川上氏は、説明しなくても分かる撮り方をすれば良いし、見ている人に想像してもらう事も映画の面白いところでもある、それにはどう撮ればよいのかを考えるのがキャメラマンの仕事だと教えてくれました。
 技術ばかりが先行している最近では、綺麗な映像を撮ることばかりに目がいきがちですが、映画を観ている人のことを一番に考える事が本当で、それを映し出すキャメラマンの役割は重要です。助手時代に多くのキャメラマンから多くのことを学び自分の知識としていけるようにしてほしいです。


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1106.jpg3月14日授業レポート   育成塾11期生 島 大和

 今回の授業はキャメラマン講義で、上野章吾さんと川上皓市さんに来て頂き、講義をしていただいた。
 午前中は上野さんにお話して頂き、撮影された作品『草の上の仕事』と『此の岸の向こう』を見せていただいた。講義で見せてもらう作品はDVDとなっているものがほとんどでしたが、『草の上の仕事』は16ミリフィルムでの上映で、ノイズや傷が入っている所もあるが、色彩はとても綺麗で、年月の経過があっても十分楽しめるものだと感じた。この作品も『此の岸の向こう』も商業作品ではなく自主制作の作品だが、きちんと見所があり、低予算でも出来る事を作品を通じて教えて頂いた。
 川上さんの講義も撮影された作品を観る形で、『橋のない川』を鑑賞した後、メイキングの映像を見せて頂いた。こちらの作品は商業作品で、家屋を燃やしたり、雨降らし、雪降らしなど様々な作業が行われていた。一番参考になったのは、メイキングで見る事が出来たライティングの設計で、作品を観ると暗めのトーンに見えたシーンでも、直当てのライトが当たっていて不思議に思ったが、それだけ光を当てて背景とバランスを取る事で美しい景色を白とびせずに見せていたのをみるとなるほどと納得できた。その他、トンネル(暗所)から外への移動などで、レンズの絞りで自然に露出調節をしていたり、雪の代わりに塩を撒いていたり、撮影方法で勉強になる事がいろいろあった。その他、壁抜けの撮影シーンも見ることが出来たが、何となく仕組みは想像出来たものの、思った以上に簡素な作りで、撮影クルーの技術に依る所の大きさに驚いた。講義全体を通じて、今回は予算、規模、機材に関わらず美しいシーンを撮るために工夫出来る事は沢山あり、そのための知恵や技術は沢山学ぶべきだという事を学んだ気がした。


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撮影助手育成塾便り.Vol.11-46

『 露出計測の講習 』


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 今週の授業は“露出計測”です。1月に株式会社セコニックの方から露出計の仕組みなどを教えていただきましたが、今日はその露出計を使って実際に計測の仕方を学ぶことにしました。
 撮影は「撮る影」と書きます。文字通りに映像は“光と影”で構成されており、私達撮影部は、この光と影をコントロールして映像を作り上げていかなくてはなりません。
キャメラマンの仕事は多岐にわたりますが、その中で最も重要な仕事は“照明”です。キャメラマンは照明プランを立て、照明担当のスタッフに指示を出して自分の映像を作り上げていかなくてはなりません。映像全般の総責任者であるキャメラマンは、光の方向や強弱などを計算し、その光をコントロールしていくのですが、その光をコントロールするのが“露出計”なのです。この露出計測は、日本以外の諸外国ではキャメラマンの仕事となっていますが、日本では撮影チーフの仕事とされています。しかし、その撮影チーフとキャメラマンは綿密に打ち合わせをし、自分のプランや狙いをチーフに説明し、思う通りに光の強弱を作っていきます。露出とは、画家に例えると絵に色を付けていく作業のようなもので、露出計は絵を描く筆のようなものです。細かく計測しながら、光と影の陰影を写しこんで行く作業は、長年の経験で培ったもので、思い通りに描けた時には、キャメラマン冥利に尽きます。キャメラマンにとって、自分の個性を表現できる大切な作業と言えます。
デジタルの普及で誰でもそれなりの映像が撮影できるようになりましたが、その中で露出を気にしながら撮影している人は何人いるでしょうか? 最近はモニターなどで映像を決めてしまう人も見受けられますが、モニターの性能では、描ける映像表現の一部分しか分かりません。やはり露出計で細かく計測しなくては、美しい映像は撮影できないでしょう。
この、キャメラマンにとって見せ場とも言える光のコントロールを、撮影助手は仕事を通じてキャメラマンや先輩から仕事の中で学んできました。ですが、デジタルの普及で学べる環境は厳しくなっていると言えます。育成塾塾生は日本映画撮影監督協会所属のキャメラマンから直接学べる機会が多くあります。そんな機会を大いに活用し、沢山露出計測のことを学んで、立派なプロのキャメラマンになってほしいものです。


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1101.jpg3月 7日授業レポート   育成塾11期生 石原 毅

 今回は露出計の使い方を教わりました。合宿でフォーカスマンやサードといった役割を担った時、チーフの役割である露出の計測がいったいどのように行われているのかとても興味を持っていました。今回の講義で露出計測の難しさを理解しました。今後、細部にこだわりを持った撮影をできるようになるためにも露出を十分に学んでいく必要があると実感しました。




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