撮影助手育成塾便り.Vol.13-10
先週から始まった実技講習、今日からはARRI 3型35ミリキャメラの講習に入ります。
ARRI 3型キャメラは30年近く前に発表されたキャメラで、性能の高さは折り紙付き。今でも使用されることのあるキャメラですが、さすがに基本設計が古いことと、現代の要求には答えられない部分があり、現役と言えるキャメラではなくなっているのが正直なところです。育成塾で実技講習の一番初めに教えるキャメラとして選ばれているのは、キャメラの機構が単純で壊れにくい点にあります。ARRI 3型の後継機として生まれたARRI435キャメラと取り扱いが似ている点が大きく、ARRI435キャメラの実習を始める前の練習にはうってつけの機種だからです。
ARRI435キャメラは多くの現場で使用されています。育成塾でも9月の合宿ではARRI435を使用する予定です。一方、ARRI3型キャメラもフィルムとレンズさえ良いものを使えば435キャメラと同じ映像が撮影できる意味では立派に現役と言っていいでしょう。
さて、講習を始めた塾生たちの様子ですが、当たり前なのかも知れませんがフィルムの扱いができないために悪戦苦闘といったところで、作業を見ていて怖い部分のほうが多く、見ているほうを冷や冷やさせます。やわらかいフィルム、キャメラの扱いは教えてもらい、何となくわかっているのですが、フィルムの扱いが出来ていないため、教わったように機材を扱えないでいるようです。フィルムを自在に操れるようになるにはそれほど時間はかからないと思いますが、それも多くの練習によって徐々にうまくなるもの。積極的に練習の数を増やし成長するよう、頑張ってほしいです。 6月18日授業レポート 育成塾13期生 平見 優子
先週に引き続きアリフレックス35IIIについての講習でした。今回はカメラにマットボックスやフォローフォーカスなどをつけて、かっこ良くしました。
フォローフォーカスの、フォーカスを離れたところでできるようにする「フレキシブルドライブ」という名前で、もってきて、と言われたら短い方をもって行くのが無難だと教わりました。
マットボックスにはリテナー、フィルタートレイ、マスク、シェードが付いていました。6×6のフィルタートレイだ、ハーフNDとかを入れたときのために、回して調整できる仕様になっている。
生フィルムが入っている缶やマガジンに貼る「帯」は「何のフィルムが何フィート入っているか」を現場のスタッフが把握できるようにするためのものであり、「缶票」は「何のフィルムをどのマガジンに入れて何フィート回して、どうやって現像したいのか」を現像所の方に伝えるためにあるものであり、それらがすこし混同していたので、今一度整理して考えました。
チェンジバッグはチェックする際は裏返してかぶるなどして星を探します。なければ、そのままチャックを下にして作業を行います。実際にやってみたら、意外とうまくできたので、よかったです。
マガジンをカメラにかける時に気をつけることは、カメラを前に傾けると楽であること、斜めにフィルムを引っ張って入れること、白の印にあわせた状態でプレッシャプレートにフィルムを入れること、意外とカンタンにフィルムが切れるので丁寧に作業すること…。
なによりも全体を通して今回勉強になったのは、思ったように機材が届かないということでした。なかなかカメラにあうブリッジブレートが来なくて、結局マッドボックスのリテナーが使えませんでした。こういったことが本番におきないための機材チェックがいかに大事かを身にしみて感じました。
