撮影助手育成塾便り.Vol.13-48
撮影助手育成塾第13期生の授業も48回目になりました。直接、技術を教える授業は今日が最後となります。その授業は“露出計測”です。
露出計測は、映像を構成する上でとても大切な作業です。光の明暗を露出計でコントロールするのですが、実に簡単な作業でありながら、極めていくとどんどん難しくなっていく作業なのです。デジタルキャメラやスマートフォンなどで簡単に写真が撮影できる時代ですが、それは素人が写真を撮っているレベルの話。私たちプロは映像を作ると言います。言葉の通り、思い描いた映像を、照明機材を駆使して作り上げていくのです。露出単体を考えた時、数時間の講習で覚えられるレベルではそれほど難しいとは感じないでしょう。しかし、撮影に関する様々な事柄が合わさってくると途端に難しくなり、実際の撮影ではどの露出にすれば良いのか決めることに勇気がいります。露出の計測は、撮影助手の中でも一番上に立つチーフアシスタントが行います。それは、露出の計測には長い経験と知識が必要だからです。しかしながらデジタル撮影が主流の今日では、モニター画面で露出を決める人も少なくありません。特にテレビなどのビデオ関係で仕事をされてきた方たちは露出計測という概念はなく、モニターに映る映像だけで露出を決めてきたこともあり、露出計で光を整えていくという事は出来ないようです。フィルムで育ってきた人たちにとっては当たり前のように行われてきた露出計測ですが、新しいデジタル技術は、露出計測を必要としなくなってしまいました。では、本当に露出計測は必要ないのか? そうではありません。 必要なのに行わないのは、ただ出来ないのです。今後、技術を覚える場が少なくなっていく事が予想されます。
撮影助手育成塾では、失ってはいけない技術は出来るだけ教えていきたいと考えています。今日1日で覚えられるものではありませんが、今日の授業でこれからどのように勉強していけば良いのか、どこに注意して現場で勉強すれば良いのか、分かってくれたことと思います。自分なりにしっかりと覚え、その技術を次の世代に教えてくれることを願っています。 2月 18日授業レポート 育成塾13期生
今回は最後の技術講習として露出計の使い方を教わりました。測ることはすぐにでもできるけれど、目を養うことは経験を積むことでしかできない、とても奥の深い技術であることを痛感しました。正直なところ、どうすれば思い描いた絵を収めることができるのか、まだ想像と技術がつながっていません。でもそのためにどう考えていけばいいのか、どう測ればいいのか基本的な部分は今回の授業でつかむことができました。これからできることは、いろいろな光の環境で、どうすればどう仕上がるのか、実験を重ねて自分のデータを蓄積していくことだと思いました。やっと手に入れたスポットメーターも持ち歩いて、目感を養っていくことを日常的にやっていこうと思います。撮影の絵づくりに大きく関わる技術を学ぶことができ、とても楽しい授業でした。
