撮影助手育成塾便り.Vol.14-31
本日の撮影助手育成塾の授業は「ビデオ・デジタルの基礎知識」です。フィルムに関する授業も先週で一区切り、今週からデジタル撮影に関する授業に入って行きます。ご存知の通り、現在の撮影ではデジタルで行われる事がほとんどです。塾生たちも現場に入った時にはほとんどの撮影がデジタルによるものでしょう。そのため、これから始まる授業は、より実践を意識した技術の習得になります。撮影部におけるデジタルとはどのようなものか、先ずはその仕組みから歴史などを知らなくては始まりません。今週と来週は、現在の状況を踏まえながら授業を進めていきます。
デジタルの出現は『第3次映画革命』とまで言われています。一つ目は『トーキー映画』の出現。1927年に初めてトーキー映画が発表されるまでは無声映画でした。楽団などによる音楽や、活弁士による語りで観客を楽しませる映画に、役者本人の吹き替えによるセリフが生まれたのです。それまではストーリー性よりも役者の動きに重きが置かれていた映画にセリフが付く事によって、よりストーリー性が求められることになりました。
次の革命は「カラーフィルム」の出現でした。それまでの白黒映画にはない臨場感が観客に与えた印象は強かったそうです。それまでの白黒映画はどこか異質な世界観で観られていましたが、カラー作品による現実感が受け、観客動員数が飛躍的に伸びたそうです。撮影部においては、色彩を表現する為の撮影技術に大変苦労したそうです。
そして現在のデジタル技術の出現です。映画業界は撮影のみならず、編集・録音など様々な分野でデジタル化が一気に進みました。デジタルでの撮影が本格化したのはそれほど昔の事ではありません。8年前はまだフィルムでの撮影がほとんどでした。その為、撮影部内においても確立したシステムがなく、それぞれがより良い技術と撮影システムを模索している状態と言えます。今後徐々に落ち着いてくると思いますが、しばらくは今の状態が続くでしょう。
そのような中で撮影助手となって行く塾生たちは多くの事を学ぶ必要が出てきます。そのためには多くの現場で経験を積み、多くの経験と知識を身につけて行くしかありません。大変な事と思いますが、これから彼らが作り上げていく世界を期待しています。
