撮影助手育成塾便り.Vol.43

本日の授業は先週に引き続き「機材講習:ARRI535」です。気が付けば15期生の授業も残りが7回となり、35㎜フィルムキャメラの講習も最後になりました。映画の撮影助手を想定して行ってきた機材講習、35㎜フィルムキャメラがこれだけ練習できるのも撮影助手育成塾ならではの授業です。今は貴重となったフィルムキャメラの練習がこれだけできる場所は他にはないでしょう。「育成塾の塾生はフィルムキャメラが取り扱える」そんな話が撮影部の中では広がっています。裏を返してみれば、フィルムキャメラを取り扱う事の出来ない助手が増えているという事です。実際にフィルムでの撮影は減少し、撮影助手の多くはフィルムキャメラを知らなくても何とかなってしまう現状です。
しかし、フィルムの持つ独特の映像は、欧米でも評価されており、アメリカ映画はいまだに多くの作品がフィルムによって撮影されています。アジアではフィルム撮影が残っているのは日本映像界のみと言っても良い状態になってしまいましたが、映像の分かる一部の監督やプロデューサーがいまだにフィルムでの映画撮影を行っています。テレビCMの世界では、フィルム撮影はかなりの作品が作られていて、フィルムの取り扱いが出来る撮影助手が求められています。
育成塾ではフィルム撮影技術の伝承に力を入れています。それは全てにおいて撮影の基本がフィルム撮影で学べるからです。フィルム技術を教えることで一緒に撮影部としての心構えも身についてくる、そんな思いで教えています。塾生たちも育成塾を卒業すれば、ほとんどデジタルでの撮影が多くなることでしょう。卒塾してしまえばフィルム機材の練習は難しいので、この貴重な授業を無駄にすることなく一生懸命練習に励んでくれることを期待します。

