撮影助手育成塾便り.Vol.44

『 フィルムラッシュ&キャメラマン講義:佐々木原 保志 撮影監督 』


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 本日は東京都調布市にある、株式会社 東京現像所をお借りして、授業で撮影したフィルムを使って、映画館と同じスクリーンとテレビモニターとではどのように違うかを、同じ映像を使って見てみました。まずはスクリーンでの上映。色調も再現力も良く、映像の鮮明さも明らかに美しいのがわかります。次にテレビモニターです。発光体であるテレビモニターには、機械的な限界と放送企画による規制がありますので、色調も再現力もスクリーンには劣ることが、こうして比べてみればよく分かります。「映画はスクリーンで観てこそ映画」と言われていますが、言い換えれば、テレビを意識して撮影された作品は、テレビで見てこそ良く見える作品もあり、撮影時にどのような形で上映されるのかを初めに考えて準備することが大切です。間もなく現場へと入っていくこととなる12期生たちも、多くの選択肢がある現在の撮影において、勉強しなくてはいけないことがまだまだ多くあることを知ってもらえれば嬉しいです。
佐々木原 保志 撮影監督 午後からの授業は「キャメラマン講義」です。今回講義をしていただいたのは、『ハナミズキ』『GONIN サーガ』など多くの作品を撮影している、佐々木原 保志 撮影監督です。日本映画撮影監督協会の副理事長も務める佐々木原氏、キャメラマンとしての活動の他、映像業界全体の活動にも積極的に関わっています。今回は塾生に、「助手としての仕事のことは、他の人から教わっていると思うので、映像業界が持つ問題を知っていてほしい」と前置きし、講義が始まりました。
 佐々木原氏が塾生に今回話したのは『アーカイブ』についてでした。アーカイブとはご存知の通り『記録の保存・活用、未来に伝達』ですが、現在の日本では他のアジア諸国に比べ、進んでいる方ですが、国を挙げて保存に力を入れるアメリカなどに比べれば全く遅れているのが現状です。名作や大作と呼ばれる作品は、保存も積極的に行われているのですが、今上映される作品のほとんどが、近い将来失われてしまう危機にあります。保存には技術もそうですが、何より費用が多額にかかります。上映が終わりそれなりの収益が取れなければ、その後の保存に費用は掛けられないというのが実情で、作品を作ったスタッフとしては悲しいことです。フィルムで撮影されていればまだ何とかなるのですが、デジタルでの撮影がほとんどの現在では、保存にはフィルム以上に神経を使うことになるので、一個人で出来ることではないでしょう。将来キャメラマンを目指す塾生たちに佐々木原氏は、自分の作品への愛情を持つことの大切さを教え、キャメラマンとしてアーカイブなどを含め、業界人として活動することの大切さを教えていました。技術もそうですが、失ってしまったものは二度とは戻らないことを心に刻み、塾生たちのこれからの活動を期待します。


東京現像所


1210.jpg 2月13日授業レポート   育成塾12期生 柳園 丈滋

 今回は久しぶりに調布の東京現像所にて授業。前半は塾で撮影したフィルムを使いスクリーンとTVモニターとの見た目の違い、そしてネガフィルムとポジフィルムの表現性の違いを見せていただきました。まずスクリーンで観た画ではやはり投射された光を見ているというだけあって、ソフトで表現域も広い様な印象であるのに対し、モニター上ではやはりそれ自体が発光しているために暗部が必要以上に明るくなっていたりと、撮影者が意図しない表現になっていました。撮影段階からどういうメディアで視聴者に見られるのかということを意識した撮影をしなければ、極端に言えば制作者が意図しない印象を観客に与えることになることがはっきりと分かりました。更に現代はネットのみであったり、携帯のみを対象にした映像制作もあるので撮影段階から意識しなければならないことはとても多いと思いました。
 後半は佐々木原キャメラマンによる撮影監督講義。 主にアーカイブについてお話いただきました。これまでポストプロダクションでアーカイブについて何度か勉強する機会がありましたが、撮影監督からアーカイブのお話を聞くと、今までよりもよりその重要性や価値を感じました。過去の作品というのは、先人達が築きあげた技術の結晶であり、大事な日本の文化であり、日本でアーカイブが進まないのは大きな問題だということでした。そして、撮影の仕事をやる以上は日本の映画文化を創る一員となり、技術を継承して自分の足跡を残すということも考えろ、とこれから現場で撮影に関わっていく僕たちが持つべき意識を教えてくれました。


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