撮影助手育成塾便り.Vol.13-31

『 デジタル撮影部の仕事 』


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 本日の撮影助手育成塾の授業は、五反田にある株式会社 イマジカにて、撮影技術スタッフによる技術講習の授業です。イマジカは、撮影から仕上げ、作品の完成までトータルで行えるポストプロダクションです。その中の撮影部は最新技術を取り入れ、常に新しい映像を作り上げています。今日はその撮影部の方たちにデジタル撮影現場における撮影助手の仕事と、DIT(デジタル・イメージング・テクニシャンDigital imaging technician)の仕事とはどの様なものかを教えてもらいました。
 DIT(デジタル・イメージング・テクニシャンDigital imaging technician)とは何か。この職種はデジタル撮影が本格化してから生まれたもので、今までの映画はフィルムによって撮影されていました。フィルムの時代では撮影助手がすべてフィルムの管理をしていましたが、デジタルではフィルムに変わってデジタルデータになり、フィルムの管理のような仕事とは多少異なった作業が必要となったのです。
人の手による作業ができるフィルムと違い、目で見ることのできないデジタルデータは、実に簡単なミスによって消去されてしまうことがあります。つまり、苦労をして撮影されたものが一瞬で消えてしまうのです。実際、デジタルの撮影が始まった初期段階では、様々な問題が発生しました。また、技術の向上により取り扱うデータも複雑になり、その処理には長い時間も必要となってきたのです。多くの事故が起こったことにより、デジタルデータの管理を専門とする知識と技術を持ったスタッフが必要だということで生まれてきた職種なのです。初めのうちは撮影されたデータの管理だけでしたが、今では様々な事も仕事の中に含まれるようになり、高い専門的な技術が必要となってきました。
これまでフィルムの取り扱いを学んできた塾生にとって、デジタルデータの取り扱いは初めての事です。今の人たちはパソコンやスマートフォンなど日常でデジタルデータに接してきています。しかしそれは正しいデジタルデータの取り扱い知識を知った上でのことではありません。いつ大切なデータが失われてもおかしくない作業なのです。これから現場へと出ていく塾生にとって、正しいデータの取り扱いは必ず知っておかなくてはならない技術、今日教えて頂いたことは決して忘れることのない様にしてほしいです。


イマジカ
 

1302.jpg 10月29日授業レポート   育成塾13期生 小野寺 昌哉

 今回の授業は、五反田のIMAGICAさんにて、デジタル撮影機材の実習と撮影後のデータを、DITさんに受け渡す作業やその後のDITの作業の講習を行った。
 まずは、デジタル撮影機材の実習であるが、canonのCINEMA EOS SYSTEMの機材とREDという機材で実習を行った。
 2班に分かれ、私は先にCINEMA EOSの方から実習に入って、三脚を設置し、ヘッドを付けてキャメラをセットするところまではフィルム撮影機材と同様である。 キャメラをセットして、レンズを取り付ける段になり、今までのフィルムキャメラのPLマウントとは少し勝手が異なり、若干躊躇した。
 CINEMA EOSはレンズのマウントがPLマウントのものと、EFマウントのものがある。PLマウントはARRIのフィルムキャメラの実習で経験してきている。
 EFマウントは、canonのスチールキャメラ用のマウントで、そのスチールキャメラ用のレンズをそのままムービーキャメラであるCINEMA EOSに取り付けることが可能だ。普段、私はcanonのスチールキャメラを使っているので、EFマウントのレンズを使うことには慣れているが、このCINEMA EOSのボディ側のEFマウントのロック機構が、スチールキャメラとは構造が違うため、ちょっと戸惑った。具体的には、PLマウントの様なレバーが付いており(スチールのEFマウントは、レバーがない)また、そのレバーのロックの方向がPLとは逆方向なので、ちょっと頭を切り替えないとなかなか装着に至らない。
 何とか、レンズ装着後はキャメラの設定をしていったが、この辺りのメニュー画面からの操作というものは、キャメラが変わればメニューも変わってしまうので、細かい説明は割愛となった。その後、道路に出て撮影し、その撮影したデータが入ったメディアを、DITさんに渡した。その時にフィルムの時と同じ様に、ロールナンバーが入ったキャプションをメディアのケースに貼って渡すように教わった。
 DITさんの作業は、データの管理とそのあとの編集さんに渡す前の作業等で、logやRAWで収録されたデータを現場で確認するために適切なLUT(ルックアップデーブル)をあてたり、表現意図に応じて色味調整やトーンカーブを調整して確認用のデータを作る。この作業はあくまでも、編集さんに渡す前の作業ということだが、現場によっては(予算の関係などで)DITさんがかなりのところまでやらなければいけない事もあると、おっしゃっていた。
 そういった大変な状況になる時もある。DITさんの作業を目の当たりにできた事は貴重な体験であり、とても興味深いものであった。何より、logなりRAWなりで撮影したデータは、何かしらの作業をしない限り、鑑賞に値するデータにならない。その作業の幅はかなり広く、後でどうにかなってしまうという事も言えるが、それはいたずらにDITさんの作業と時間を浪費している事にもなりかねない。やはり、キャメラマンもDITの作業を理解し、明確な撮影意図を持って撮影し、その意図をDITさんに伝える事が重要なのではないかと、一連の作業を見学していて、その事を強く思った。
 その後REDの実習をしたが、メニューの操作等はやはり細かい部分は割愛し、RAW収録で、モニターアウトのケーブルをそのままDITさんの機械に繋いで、撮影してすぐに、確認用のデータを作る作業を行った。こちらの方が、メディアを抜く時間を短縮できるため、確認作業を早くしたい時には有効だと思った。クライアントに確認しなければいけない、CMの現場等ではこの方がいいかもしれないとも思った。
 実習後半では、少し時間があったので、REDのハイスピード撮影等をやってみた。フィルムに比べて、設定できる範囲が広く、そして簡単に出来てしまうので、スローモーション等の表現はデジタルの方が有利かもしれないと思った。
 今回の授業では、DITさんの作業やお話が聞けて、貴重な体験が出来た。今後の現場では、やはりデジタルの現場が多いと思うので、キャメラの取り扱いはさる事ながら、DITの作業が理解出来ていないと、最終的にいい作品にはならないと実感したし、いい作品を作るために、DITさんとの意思の疎通も大事なんだなと痛感した次第であった。


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